キャンプやアウトドア好きが集まるキャンパルジャパン株式会社。
その中で製品開発にも携わる、代表取締役 伊川良雄にインタビューを行いました。


お客様がogawaのブランド価値を気づかせてくれました。



━━ 100年の歴史をもつogawaですが、コンセプトや秘話について教えてください。


伊川 我が社は1914年創業以来「小川治兵衞商店」から始まり、その後「小川テント株式会社」に、さらに「株式会社小川キャンパル」から現在の「キャンパルジャパン株式会社」へと変化を遂げてきました。
「小川テント」や「小川キャンパル」時代は、「人と自然との豊かで快適な環境づくり」というコンセプトのもと、テントを含めた空間を創造し提供してきました。
それを継承し、「100年つづく歴史ある製品クオリティ」、「安心で快適なアウトドアライフ」をお客様にお約束するというブランドコンセプトでスタートした会社が「キャンパルジャパン」です。


━━ 社史を振り返ると紆余曲折さまざまありましたが、思い出に残るエピソードはありますか?


伊川 「小川キャンパル」から「キャンパルジャパン」に会社を立て直す時、正直このタイミングでお客様は離れてしまうだろうと思っていました。
しかし、新商品展示やアウトレット商品を出品するふもとっぱらのイベントでたくさんのお客様にブースに来ていただきました。
「ogawaを応援していますよ!!」と、何人ものお客様にお声がけいただき、たくさん購入いただいたのです。

まだまだ「ogawa」はいけるのではないかと、その時実感しました。


━━ まだまだ「ogawa」はいける、と感じられたのは具体的にどのようなことですか?


伊川 どんな状況であろうともお客様がついてきてくださったことで、ogawa製品に対する価値を改めて気づかせていただいたのです。
諸先輩方が長年蓄積した品質、強度、テントのあるべき姿を、お客様は知っていらっしゃったのです。
ただ、品質が良くても高価格で手が出せない商品もありましたので価格の見直しをしながら、現在多くのお客様に使っていただけるようになりました。
会社の転換期についてきてくださったお客様には感謝しかありません。
そのお客様との「信頼」が今につながっていると思います。



キャンプをやるとみんな明るくなる、元気になる、解放される。
それが地球と遊ぶということ。



━━ ogawaが掲げるメッセージ「地球とあそぼう」とは?


伊川 「地球=フィールド」でキャンプをして遊ぼうというメッセージです。
バーベキューやデイキャンプはやっても、その先になかなか進まない人が多い。
最近ではグランピングもあるので、自分でキャンプをやるのはますます面倒だと思われがちですよね。
けれど実はキャンプはそんなに難しく面倒なものではなくて、意外と簡単なものです。
道具についてはレンタル品が充実しているキャンプ場もあり、先日オープンしたogawa GRAND lodge FIELDでもogawa製品のレンタルを開始していく予定です。
(レンタルサービスは現在準備中です。2022年9月時点)

キャンプをすると、みんなが自然と明るく、元気になり、解放されます。
屋内で久しぶりに会ってご飯を食べるよりも、外でキャンプをして食べる方がより美味しく感じられ、自然に元気になってしまいます。

旅行に行く、ホテルに泊まるというふうに、キャンプを日常に取り入れてもらい、私共が作っているテントで楽しんでくれたら嬉しいです。
「地球とあそぼう」とは、大それたことではなく、小さな公園、自然があるところ、道端の草花と親しむということでもあります。

コロナ禍でなかなか思うように遊びに行けないご時世だからこそ、さまざまな人にキャンプの体験をしてもらいたいと考えています。



なんでこんなに眠れるのかというくらいキャンプで良く眠れます。(笑)



━━ 伊川社長が好きなキャンプスタイルは何ですか?


伊川 僕はソロも、友人らとのキャンプも、ファミリーでのキャンプも好きです。
子供が大きくなったのでファミリーキャンプは行かなくなってしまいましたが。
道具を少なめにしてシンプルに行きたい派です。
キャンプは道具をしっかり揃えていきたい人がたくさんいると思うのですが、僕は逆に道具が足りないくらいで出発してしまいます。

キャンプは雨風で大変な時もありますが、テントで寝るのは安心感があるものです。
家よりも熟睡できてしまいます。
とにかくなんでこんなに眠れるのかというくらいキャンプでは良く眠れますね。(笑)
20代の頃の八丈島など、島でのキャンプが原点です。
バイクで北海道に行き、キャンプ場を巡っていた時期もあります。



あとはキャンプが目的でも良いのですが、カヌーや釣りなどアウトドアアクティビティとキャンプも良いですね。
今後ogawaでもキャンプを軸とした遊び方の提案をやっていきたいと思っています。


━━ 伊川社長おすすめのテントやギアは何でしょうか?


伊川 全部おすすめしたいところですが・・・
ステイシーST-IIは、おすすめです。
2004年から発売したのですが、ソロキャンプにぴったりハマり、ロングセラーになっています。
昨今はソロキャンプ向けとしてパップテントが取り上げられていることが多いのですが、ステイシーはドームテントでありながら、小型かつ生活できるスペースがちゃんとあります。
そのバランスが絶妙に良いのです。
さらにテントサイズの割には前室が大きい、簡単に立てられる、フレーム構造がシンプル、風に強い。
ソロキャンパーにとってのメリットがたくさん詰まったテントなのです。
ちなみに先日、20メートルくらいの強風が吹いても倒れませんでしたよ。
中で寝ていた社員が「ビクともしませんでした!」と言っていました。


→ ステイシー ST-II の詳細はこちら

ギアは、ファニチャー系(チェアやテーブル)がおすすめです。
ハイ&ローコットワイド3ハイ&ローテーブルのように高さ調節ができるものや、ツーアングルチェアのように角度調節ができるものがあります。


→ テーブル&チェア の一覧はこちら

フィールドはさまざまなので、その場所や状況に合わせて調節ができることは重要と考えています。

お客様の中にはテントもギアも全部ogawaで揃えたいという方もいらっしゃいます。
ogawaに求めている品質やブランド価値をキャンプ場で味わいたいという人が増えてきて嬉しいです。
でもまだまだテントメーカーという視点が強くて、そこまで広がってはいません。
ogawaがギアを扱っていること自体を知らない方もまだまだいらっしゃいます。
だからどんどん知ってもらいたいと思っています。



細かいけれど痒いところに手が届く製品づくりを大切にしています。



━━ ogawaが掲げるメッセージ「信頼」とは?


伊川 100年の歴史で培ってきた「信頼」。
それは、クオリティの高い製品のことです。
現在日本のマーケット以外に、中国、台湾、韓国、タイなどから展開オファーがありますが、基本は日本の四季に合わせて製品仕様(デザイン・設計)を考え開発をしています。

暑い夏は、サイドやフロントのパネルを張り出し、フルメッシュにして通気性を良くする事にこだわっています。
寒い冬は、テントから離れすぎずに焚き火を楽しんでいただきたいと、ここ数年でT/C素材のテントを増やしています。
また、スカートをしっかりペグダウンすることにより、下からの風の侵入を防ぐことができます。
また、雨をなるべく軽減できるよう、雨溜まりが出来ないように、シャワーテストをしっかりと行っています。
ちなみに、テントの張り方は重要です。
張綱をしてペグダウンを行い、フレームと幕を合わせてきちっと綺麗に張ることで、テントの強度も上がります。
最近は綺麗に張る方が増えてきていますが、僕はしっかりと張れていないテントを見ると気になってしまって、他社のテントも張り直してしまうことがあります。(笑)

ogawaは細かいけれど痒いところに手が届く製品づくりを大切にしています。
すべては「信頼」するお客様、お取引先様、工場のスタッフや現場のスタッフとの関係性の中で生まれた製品です。
だからこそ、ogawaブランドを「信頼」していただきたいと思っています。



いろいろなテントを試して、最後はogawaに行き着いてほしい。
ogawaのテントを“究極のテント”と言ってくださるお客様もいます。



━━ ogawaが掲げるメッセージ「テントはogawa」とは?


伊川 現在さまざまなアウトドア製品を展開していますが、原点はテントメーカーです。
帆布製品から始まり、あらゆるテントを作ってきました。
1914-1945年には、軍隊に軍用テントを納入していました。
国の基準をクリアした軍用テントのスペックや強度などのノウハウは、その頃から現在に至るまで、あらゆるテント製品に生かされています。
その後、1960年にキャンプ用テントの展開が始まりました。
小川テントの先代の社長がヨーロッパ各所を周り、日本でも流行るのではと始めたのです。

さまざまなお客様がこういった歴史背景や、品質へのこだわりを知って、最後はogawaに行き着いてほしいと思います。
ogawaのテントを究極のテントと言ってくださるお客様もいらっしゃることは、本当にありがたいことですし、最近は最初のテントにogawaを選んでいただくお客様も増えてきました。


━━ 2022年夏にGRAND lodge むさし村山店、徳島店をオープン。
   オンラインストアを含めて20店舗になり、店舗の広がりを見せていますね。


伊川 実は最近までテントを見ていただく場所は、大型のアウトドアイベントがメインとなっていました。
また卸先様にご協力いただき、一部のテントは店舗に展示していただくものの、十分には展示できない状況にありました。
テントは大きくて場所ばかりとってしまい、販売効率が非常に悪いためです。
お客様に伝えたいことが伝えられない状況でした。

お客様に私共のテントを見ていただく場所が必要でした。そこで、自分たちで直営店を作ることにしました。
自信を持っているテントだからこそ、直接来て、見て、触って、使ってほしい!という思いを込めました。
そして2016年、新木場にGRAND lodge(グランドロッジ)1号店をオープンしたのです。



直営店を出したことにより、お客様も待っていてくださったことを実感しましたし、何よりもお客様との距離が縮まったことが一番嬉しいです。
テントの組み立て方やたたみ方のレクチャーもしています。お客様と店舗スタッフの会話などが、商品開発に活かされていたりもします。

ogawaは職人気質、ちょっと堅いというイメージが強いと思うのですが、そこを少し払拭し、気軽に入れるような店づくりを心がけていますので、ぜひ足を運んでいただけたらと思います。
まだ具体的には言えませんが、今後も店舗展開はしていく予定です。
その中で「テントはogawa」をPRしていきますので、その理由を実際に店舗に来て知っていただきたいと思います。



お客様にもっとogawaを知ってもらうことが鍵。



━━ これからのビジョンをお聞かせください。


伊川 日々頑張るしかないですね。(笑)
続けていきたいのは、お客様が欲しいなと思う商品を出し続けるということが根本です。
デザインに優れ、日本の気候に対応できるスペックをもった品質の良いものを、お客様の手の届く価格で販売していきたいと常に考えています。

直営店拡大と共に、新しいキャンプ場「ogawa GRAND lodge FIELD」が2022年7月28日にオープンしました。


→ ogawa GRAND lodge FIELD の詳細はこちら

お客様との接点をどんどん増やし、お客様に必要だと思われるキャンプブランドでありたいと思っています。
ogawaスタッフと話してもらうことで安心して使っていただいたり、クオリティの高いogawa製品を使っていただくことで誇らしく思ってもらったり、そう言った気持ちがお客様に芽生えてくれたら嬉しいです。

 ━━

会社は変わってきましたが、ogawaブランドは続いています。
アピールの場や、ogawa製品に直接触れられる場所を今後も増やし、お客様にもっとogawaを知ってもらうということが鍵だと思っています。

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